日本人は西洋人と比較して「ワキガの臭い」を異性のでも不快に感じ、同性ならなお一層不快に感じる人が多いのではないでしょうか?
気になって手術をする人もいるほどです。
一昔前まではワキガは一種のフェロモンと信じられていましたが、ワキから出るホルモン一種である「アポクリン汗(かん)」は無臭で、細菌によって分解され独特の臭(にお)いを放つことが科学の発達で分かってきました。
一種のホルモンであるアポクリン汗は、体のワキの下以外にも耳の中の外耳・デリケートゾーン(陰部)・乳首など、限られた部位にある汗腺(かんせん:汗の出る部位)アポクリン腺から出る汗です。
アポクリ汗は黄色く濁った色調で、ベタベタ感があります。
このため衣類に着くと「黄ばみ」を作るのです。
しかしすべての人がこのような症状になるわけではありません。
あくまでも発汗量の多い人、すなわち汗腺の数が多い人に限られるのです!
これは遺伝的要素も多分にあります。
しかし前述のようにアポクリン汗そのものには臭いはないものの、体の表面には無数の細菌が生息しているので、
細菌がアポクリン汗のタンパク質・脂質・ホルモン・黄色色素などを餌(えさ)にして繁殖し、「独特の臭い」を発するのです。
ところで あなたは体の皮膚には無数の汗をかく穴があることは知っていますよね。
ここから汗を出して体温調節をしているのです。
この汗はエクリン汗(かん)といってどちらかというとサラサラしており、アポクリン汗同様 無色です。
エクリン汗は99%が水分で、他に塩分・アンモニア・ミネラルなどが含まれます。
下着に汗をつけたまま放置しておくと、汗くさい臭いを発するのは皮膚の細菌が、汗を餌に臭いのある分解物を出すからです。
ところで赤ちゃんに母乳を飲ませているお母さんが、ワキガと同じ臭いを
「おや?」、「あれ?」っと感じることがあります。
乳首の臭い防止対策も含め詳しくお話ししましょう。
母乳を出す乳首はワキの下の「ワキガ」と同じ汗をかきます!
前述したとおり、ワキガと同じ成分を出す箇所(かしょ)が、乳首なのです!
それ以外にも外耳、デリケートゾーン(陰部)があります。
乳首周りはワキガほど発汗部分が広くありませんが、白いブラジャーが黄ばんだりしていれば、乳首のワキガと言えます。
また母乳を飲ませているお母さん全員の乳首がワキガの臭いがするわけではなく、出産後ホルモンバランスが崩れ、アポクリン汗が大量に分泌されるようになった人や、アポクリン汗腺の多い人に限られます。
アポクリン汗が乳首から出ている母乳を赤ちゃんが飲んでも、赤ちゃんが大人になってワキガやその他の部位からアポクリンを分泌するようになるわけではありません。
赤ちゃんの口からは何となくワキガの臭いがするときがありますが、これはお母さんの乳首のワキガの臭いが赤ちゃんの口に移っただけなのです。
ワキガ臭のお母さんが母乳を与えるときに注意することは?
母乳を与える10分位前に、市販の消毒用アルコール(エチルアルコール)をガーゼに湿らせてさっと乳首を拭くだけで細菌は死滅し、臭いも消えます。
その後暖かい湯をガーゼに湿らせてさっと乳首を拭けば、アルコール臭もなくなり完璧(かんぺき)です。
また常(つね)日頃から、ワキガに悩んでいるお母さんは母乳を与えるとき以外も入浴時、シャワーを浴びるとき、乳首を赤ちゃんがしゃぶっても安全な殺菌・抗菌効果があるデオドラント剤を使用することをお勧めします。
母乳を与えるときは、ガーゼにお湯をしめらせて乳首を拭けば、
赤ちゃんには一層安全と言えます。
まとめ
ワキガの強い人は、赤ちゃんを出産した後ホルモンバランスが崩れることと相まって、乳首がワキガ臭になることがあります。
そのとき母乳を飲む赤ちゃんの口にワキガ臭が移ってしまうことがあります。
これはワキと乳首とは同じ種類の汗腺があるためです。
臭いが強い場合はアルコールやデオドラント剤を使って殺菌することで、臭いがなくなるのでお勧めです。